雪景色に朝顔を
季節外れの観察日記



 近所のある家に、11月下旬の今も花を咲かせ続ける朝顔がある。来週には12月だというのに、今朝も3つ4つの花が咲いていた。

 そこで思った。朝顔というのは意外に寒さにも強いのではないか?育て方に気をつければ、ひょっとしたら朝顔に雪が積もった絵が見られるのではないか?

  思ったことは試してみる
    思いたったが大安吉日


 やるしかあるまい。
 こうして今回初めての継続型観察日記がスタートした。ベストとしてはホワイトクリスマスに開花することであるが、そもそも私の住んでいるあたりは12月に雪が積もることなどめったにない。まずは花が咲くまで枯らさないことが最重要事項である。
 そこで今回は2つの鉢を用意した。

鉢A
 夏に近い条件に設定した室内で育てる。
鉢B
 ある程度成長したところで外に移す。

 目標はあくまで花を咲かせること。花が咲くか、枯れるかするまで週一回を目安に更新していく予定である。


11月15日

 家で母親が育てていた朝顔が種をつけていたのでそれを収穫する。品種は『つばめ朝顔』と書いてあった。検索してみると、あまりつるが長く伸びないタイプの朝顔らしい。
 小学校の時は、種を1日水につけてから蒔いていたような気がする。そのあやふやな記憶にしたがって種を水につけておく。

 ついでに土を用意する。時期外れに無理をさせるのだから、栄養のある土を使ったほうがいいであろう。使わなくなった植木鉢の土、肥料土と書かれた袋の土(?)、芝の肥料の3つをまったくの目分量で混ぜ合わせて、日光で乾燥させてから植木鉢に入れておいた。果たして吉とでるか凶とでるか。
11月16日

 一晩水につけると目に見えて種が大きくなった。写真の右にある灰色の種は水につけなかった物。比較のため置いてみた。

 鉢A(左)と鉢B(右)にそれぞれ4個ずつ種を蒔く。1cmくらいの深さの穴を開けて種をいれて土をかぶせ、鉢の下にある穴から漏れるまで水をひたすらかける。本来梅雨時に蒔くのだから水はたっぷり必要であろう。
 直径10cmほどしかない小さな鉢なので、4個も種を蒔く物ではないが、発芽しない種があったときのための保険である。あとは芽が出るまで祈るばかりだ。

 鉢Aのふちに雪だるまやリーフが描かれているが、これに花が咲いて雪が積もればさぞかし映えるであろう。あくまで上手く咲いたらの話であるが。

11月22日

 ついに発芽する。出来て間もない種を使ったので、種が成熟していないのではないかとも思っていた。正直なところ、発芽するかどうかが一番不安だったので一安心である。
 まだ種の殻をかぶった状態ではあるが、根はちゃんと張っているようである。

 部屋の温度が常に20℃を下回るような状態なので、白熱電球を設置してみる。ついでに温度計も設置する。(写真はかなり暗く写っているが、電球の光が強いせいである。)
 しばらく放っておくと27℃まで温度が上昇した。6〜7月の温度としてはまだ低いかもしれないが、まあよしとする。暖房を入れて室温が上がると、植木鉢の温度も上がるようだ。
 今後、私が起きると同時にスイッチをいれ、寝る前に切ることにする。かなりの日照時間になるので、さぞかし光合成も進むことだろう。

11月24日

 白熱電球をつけて昼間の温度が30℃近くまで上がっても、朝には15℃まで下がっていることに気付く。さすがにこの寒暖の差は大きく、これからさらに気温が下がっていくことを考えると、朝顔にとってはあまり良くなさそうである。
 そこで即席のビニルハウスを製作する。割り箸の骨組みにサランラップを巻いたもので、製作時間30分の大作だ。上部には温度計を差し込める穴までついた優れもの。

 大きめに作ったので鉢A.Bともにラクラク入れることが出来た。
 翌朝、温度計を見ると22℃。これならばもう少し寒くなっても20℃以下に下がることはなさそうである。
11月26日

 発芽から今まで、基本的に水を与えるだけで世話らしいことはしてこなかったのだが、ここにきて、そういうわけには行かなくなる。
 苗は種の殻がついたままで発芽してきたのだが、その種の殻がいつまで経っても外れない。どの株も殻をつけたままで、葉を隙間から出した中途半端なものがほとんどである。特に、上の写真の丸で囲った2株はまったく双葉が出る様子がない。
 このままではヤバイ。

 仕方がないので手とカッターナイフを使って、一つずつ殻を取っていく。慎重に行うが、それでも小さくて弱い苗は触れるだけで壊れそうである。
 そのうちの1株(写真下赤丸)は既に手遅れだったらしく、中の葉が腐り始めていた。写真は殻を撮ったあとである。

 そして最後の株(写真下青丸)で痛恨のミス!
 上の部分を折ってしまう。それも気持ちがいいくらいにポッキリと逝ってしまった。
 数日様子を見たが、やはり回復の見込みはなさそうなので戦線離脱とさせてもらう。



11月30日

 na氏からの情報で、光を当てまくると返って開花まで時間がかかることがわかり、予定を変更する。

鉢A
 今現在の株をそのまま使い、外で育てる。

鉢B
 最初からやり直し室内で早熟開花を目指す。


 現在鉢Aには2株、鉢Bには1株が生きている。そこで鉢Bの1株を鉢Aに移し替えて鉢Aを3株にした。
 写真の中央、もっとも背が高いのが移し替えた株だ。これをいきなり外へ出すと、あっという間に枯れてしまいそうなので、数日間室内(熱源なし)で気温に慣れさせることにする。
12月4日

 12月1日に鉢Bに種を蒔いた。今回は同じツバメ朝顔の種が2つしかなかったので、別の朝顔の種も2つ一緒に蒔いてある。
 その鉢Bがそろそろ発芽してもいい時期なので、日照8時間の短日処理をやり始めることにする。

 何か使える物はないかと家を探して見つけたタイマー付き延長コード(写真上)。何でも置いてある我が家を心底ありがたく思う。コレがあれば不在の時であっても勝手に電灯の入切ができる。
 余計な光が当たらないように全体を段ボール箱で覆ってしまう。上は開いているので、夜はアルミホイルをかぶせるようにした(写真下)

 予定ではそろそろ外へ置く予定だった鉢Aであるが、いまだに本葉が出ないので、同じダンボールの中にぶち込むことにする。

 長時間光を当てたり、それをやめたり、さらに今度は短日処理である。鉢Aの朝顔にはかなりストレスがたまっているような気がする。気のせいか少ししおれているような気も‥‥。

12月5日

 昨日かぶせたダンボールの上からのぞくと、発芽していた。昨日の内に準備をしていて助かった。非常にいいタイミングである。
 品種が異なる方の朝顔が発芽したらしく、茎がかなり細い。それに発芽1日目にしては茎が長く伸びている。そういう品種なのか、それとも暗いから長く伸びているのかはわからない。
12月6日

 鉢Aと同じ品種のつばめ朝顔も発芽した(写真上右)。発芽までの時間は品種によっての違いはあまりないようだ。
 しかし、もう一方の朝顔は茎の成長が異様に早い。発芽2日目にして鉢Bの背丈に追いついている。それにしても、この茎の細さが非常に気になる。まるでかいわれ大根のような育ち方である。放っておくとすぐにダンボールよりも高くなりそうで怖い。


 鉢Bの3本のうち、2本が完全にしおれてしまう。何が悪かったのだろうか。
 多分、全部だ。
 こんな悪条件でも生き延びている最後の1本には、小さいながら本葉が出始めている。きっとそうとう強い個体なのだろう。

12月13日

 鉢Aの朝顔の生長が遅い。本葉はでているものの、その葉は小さく背丈もほとんど変わっていない。鉢Bの品種の違う朝顔にはとっくに追い抜かれ、同じ品種の朝顔にもこのままでは追いつかれてしまいそうである。

 気になって朝顔の育て方を調べてみると、朝顔というのは肥料が必要らしい。

 ならば肥料を使おうではないか。庭をあさってソレっぽいものを見つける。「花工場」まさに観葉植物にふさわしい名前である。
 ラベルの説明書を何も読まずに目分量で2つの鉢にまいておく。今度は肥料過多で枯れてしまうかもしれない‥‥。

12月19日

 東京旅行から帰ってくると、鉢Bの3株がぐったりしていた。一郎、次郎、三郎、何があったんだ?!
 17日朝に見たときはなんともなかったはずなのに、たった2日放置しただけでここまでになるとは。何が悪かったのだろうか?心当たりが多すぎる。
 この時点で2株はまだかろうじて生きていたが、22日にはもう一株も完全に枯れてしまった。鉢Bに残るのは瀕死の1株だけである。
12月25日

 鉢Bの1株もついに昇天してしまう。きっとネロとパトラッシュと一緒に旅立っていったのだろう。もう残るは鉢Aの1株だけだ。

 現在、鉢Aは室内で低温に慣らしている途中である。近いうちに外へ出そうと思案中。
 芽が出てからもう1ヶ月以上がたつのに、鉢Aの茎長はまだ20cmにも満たない。そろそろ飽きて限界を感じ始めている。
12月27日

 ついに鉢Aを寒空の下へ放り出す
 とはいっても、本当に放り出すと一晩で凍ってしまうのは分りきっているのでビニルハウス(プロトタイプ1号)をかぶせておく。これで少しは寒さも防げるだろう。
 ちなみに、現在の気温は4℃(午後9時現在)。きっと明日は氷点下に下がるだろう。実験の終わりが近付いてきている気がするのは、気のせいであろうか。
12月28日

 鉢Aを外に出した次の朝、ビニルハウス(プロトタイプ1号)は風でとばされていた。見つけるには見つけたが、支柱が曲がってまったく使い物にはならない。泣く泣く廃棄処分とする。
 見ての通り、朝顔は横倒しになっている。昨日までは元気に真上に向かって伸びていたというのに、風が強すぎるのかもしれない。
12月30日

 やっぱり枯れた。大方の予想通り、というか当たり前である。氷点下にまで気温が下がるこの時期に、夏に成長するはずの朝顔が元気でいたらそれこそ異常である。
 種を蒔いた当初からこうなるのではないかとは思っていたが、結局そのとおりになってしまった。
結論: 朝顔は暖かい時期に種を蒔くべきだ。
 当たり前だ‥‥。



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