料理の鋼人はがねびと
摩訶不思議、烏賊の鎖



 2006年5月4日『江戸の頭脳に挑戦〜粋な遊びのテーマパーク〜』(NHK)という番組があった。江戸時代の文化を紹介し、その中で当時の知識レベルの高さや、粋ということの意味を探ったりするものでそれ自体とても興味深い内容だった。


 番組の中に、江戸時代に発展したものとして飾り包丁のことも出ていた。食材で花や動物を細工し、全体として意味を見立てる技術のことだ。「えっ?」と思うような精巧なものもあり、実際に出されても食べられると思わないだろうというほどの完成度だった。
 その紹介の最後、『幻』と銘打って登場した包丁技術に私は度肝を抜かれた。それがこれだ。









輪違い大根



 おもしろい。おもしろすぎる。
 これを食べろといわれたら困るが、出されたら間違いなく驚く。そして笑う。造形美としては、いまいちかもしれないが、これを考えて実際に作った人を私は尊敬する。

 この不思議な大根の鎖(輪違い大根)、作り方はいたって単純だ。つながった鎖の形に大根を彫刻していくだけなのだ。手先の器用さもさることながら、忍耐力も相当に必要な作業だろう。天下泰平300年の歴史を感じる技術だ。
 個人的にこういう力技は嫌いではない。むしろかなり大好きだ。





しかし甘い




甘いぞ日本料理




幻と表現するからには
常人に不可能なものでなくてはならない


 輪違い大根の技術と発想は確かにすばらしいが、100人いれば1人や2人は考え付く範囲のものだと思う。私なら別の方法より難しい食材を使って同じことをする。






 その食材とは






イ カ



 私はイカの輪切りを鎖状にして見せよう。イカは彫って鎖状にすることは出来ない。だからこそ『幻』である。

 用意したものはイカのリングフライ。今日の昼食のあまりものだったりする。今回はコイツの衣を落として使う。ほかに用意するのは小さい包丁だけ。これが私の手にかかると









ほっ








こんな複雑なものも


 『五縁』、『無限階段』に続くYangの不可思議立体の第三段、『烏賊の鎖細工』。例によって作り方は秘密だ。もしかしたら五縁のときのように解答編を作るかもしれない。



 なお「イカサマだ」と疑う方、「実物が見たい」という方、住所を教えていただければ、クール便の着払いでお送りします。


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