しかし、なんと言ってもエッシャーの絵の中でもっとも有名な物は、階段を上る人とその階段を下りる人が描かれた『Ascending and Descending』だろう。『上昇と下降』、『無限階段』、『上り続ける階段』などなどいろいろな呼び方がある。
あまりに有名な作品であるがゆえか、類似品が数多くあり、今回調べてみるまで私自身エッシャーが描いたものがどんな物なのかは正確には知らなかった。
ある建造物の屋上にあたるあたりにリング状の閉じた階段があり、階段の各段に2人ずつロボットのような人が描かれている。一方は階段を上りもう一方は下りている。何処にも繋がることのない閉じた階段も気になるが、そこから離れたところ、バルコニーと建物の入り口にあたる階段に一人ずついるロボットも目を引く。働くこと、生きることを投影させたような考えさせる絵である。