我流Yang派アーチェリー論
集矢直径で点数予測



 先日、ある学校アーチェリー部を担当している先生から依頼を受けた。


 アーチェリーではいくつかの距離で点数を競うが、普段の練習で複数の距離を練習するのは、時間や場所、安全面から考えて難しい。
 「30mで何点出れば、50mでは何点くらい」という目安は経験的にはあるが、それはどうしても得意不得意などによる主観が入るので、指導のために使うには説得力が足りない。
 どうせなら1つの距離での点数が分かれば、各距離での点数が数学的に計算できるようなものがほしい。
 ついでに言うと、生徒への指導としてよく「何cmの円筒をイメージしてその中に矢を通す」ということを言うので、直径何cmくらいに矢が集まればいいかが分かるようになるとなお良い。


 当サイトの座右の銘は『ペン先からロケットまで何でも作るYang製作所』(大嘘)。サイト管理人として、依頼があるなら何でも作りましょう。
 というわけで、その先生のために作ったエクセルデータを公開してみよう。
 アーチェリーの的は直径80cm(60m以上の距離は直径122cm)で、そこを同心円で10個の得点帯に区切っている。中心の直径8cmの円がもっとも高い10点、そこから直径16cm以内までが9点‥‥直径78cmから80cmの間が1点という形だ。


 ということは、すべての矢を直径8cm以内に収めることができれば満点(360点)が取れるわけだ。
(ちなみに2012年現在、最短距離である30mでの日本記録は358点)

 しかし、そう簡単に日本新記録が出せるわけではない。では9点の直径16cmの範囲であればどうだろうか?


 仮に、射た矢がすべて的の中心の直径16cmの円の中に均等に刺さったとする(今後、これを集矢直径と勝手に定義する)。


 直径16cmの9点の中に直径8cmの10点があるので、一部の矢は10点に刺さる。そして、10点に刺さる矢とと9点に刺さる矢の割合は的上での面積の割合できまる。
 この場合、10点:9点は1:3となるので、矢を36本射たとすると10点9本と9点27本で合計333点ということになる。


 同様のことを8点(24cm)まで、7点(32cm)までと考えていくと右のグラフの青い線のようになる。

 その線に重なるようにして赤い直線を引くと、見てのとおり集矢直径が10cm〜80cmの間はほぼ直線的に点数が変化していくことがわかる。そこでこの直線を近似値として式を立てると


P=382−3.0625×(2R)

P:36射での予測点数
2R :   集矢直径  


となる。これを使えば集矢直径が分かればそれだけで1ゲーム(36射)での点数が予測できる。
 だが、これくらいではサイトに発表するほどの価値はない。

 さらに下の図を見てほしい。

 的が遠くにあればあるほど集矢直径は広がっていく。上図のように30mで9点以内に収まるとしても、50mでは8点の少し外側まで広がることになる。

 このとき、集矢直径の広がり方は距離に比例するので、50mでは30mのときの5/3倍になる。これを使えば、1つの距離の集矢直径が分かるだけで、いろいろな距離の点数が計算できるようになる。
 さらに、長距離(男子70m90m、女子60m70m)では的の直径が122cmに変わることも考慮に入れれば 一つの距離での集矢直径が分かればすべての距離での点数が当然すべて計算できることになる。


 ということで完成品(?)がこれだ→


 黄色の枠の中に指定の距離での集矢直径を入れると、自動的にシングル(※)各距離の点数とその合計が計算される。


 高校や大学のアーチェリー場は、初心者と一緒に練習したり、広さが足りなかったりする関係で長距離を使えないことが多い。
 しかし、これを使えば今練習できる距離での集矢直径から、任意の距離やシングル全体の点数が大雑把にとはいえ、分かることになる。


(※シングル:全日本選手権や世界選手権などで使われる試合形式で、男子90m70m50m30m、女子70m60m50m30mの4距離36射ずつの合計点数(1440点満点)で争う。日本では1350点くらい出すとオリンピック選手になれる)
 下のタブで切り替えると女子の場合も計算することができる。
 ついでなので、30mでの集矢直径を5mm毎に点数を計算したリストも入れてみた。
 これを見れば、自分のシングルの目標点数に対して、普段の練習距離では何点程度出す必要があるのか目安を付けることができる。

 また、
『30mでの集矢直径を約2.5cm縮めるとシングルの点数が約50点上がる』
だとか、
『30mで直径17cmの円の中にすべての矢が入るようになれば1200点が出る』
という形で練習の目標に使ったり、指導に役立てたりすることも出来るだろう。

 使い方次第でいろいろなことが出来そうな予感がする。



 例によって、これについて著作権は主張しない。個人で使おうが、学校で使おうが、さらに改善を施そうが自由だが、もらっていく旨を掲示板なり、メールなりで教えてもらえると大変ありがたい。





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